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社会人でも入りやすい東京大学の大学院はどこか?

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常に生産性をあげるように働くことが求められる社会人で、

大学院進学に挑戦したいと思う人ならだれでも、

“最小限の努力で最大限の成果を出したい”

つまり、

“大学院に最短ルートで入りたい”

と思うはずです。

ところがこういった考えを、

例えば知恵袋にそのような大学院進学を相談・質問しようものなら、

カテゴリマスターなる謎の偉そうな人に

“そんなことを考える人には大学院は適していません”

といった真っ当な回答をされてコテンパンに叩かれます。

しかし、限られた資源の中で最大限の成果を出すという考えは

仕事であれば当たり前で、研究であっても当然の考えです。

そこで、この記事ではアラフォーで東大大学院に進学した私の経験をもとに、

何となく大学院に進学したいと思っていても、

英語や試験に不安を感じてチャレンジできないでいる社会人の方へ、

社会人でも入りやすい東京大学大学院はどこか?を考えるポイントと、

東大大学院の文系の受験概要一覧を紹介します。

※当ブログの記事には広告が含まれています。

社会人の大学院進学は現実的な選択をせざるをえない人もいる

お金があるなら私立の大学院であれば

社会人にも入りやすい大学院はたくさんあります。

語学や専門性があるなら、

そのスキルを最大限活かせるコースを選びましょう。

しかし中には、お金はかけれず、

かと言って勉強も不安、という人もいるでしょう。

かくいう私がそうでした。

アラフォーで子どももいるとなると、

2年で300万円コースの投資はすぐに出せる金額でもなく、

そして、仕事は日々学びはあっても、

机に向かっての勉強となると、、。

そんな私は今後のキャリアやより深みのある人生を歩むために、

大学院は魅力的でしたが現実的な選択肢としては国立の大学院、

さらに職場や仕事の関係性から東京大学大学院を選びました。

私は結果的に東大の大学院でも教育学研究科を選択しましたが、

研究内容的には社会学(人文社会科学系研究科)にも通じるものでした。

しかし人文社会科学系研究科の入試は英語だけでなく第二外国語も必要です。

とてもそこまで手が回らないため進学先の選択肢からは外しました。

このように自分が研究したい、学びを深めたい内容を、

入試の難易度などの現実的な部分、

予算や能力に合わせてずらす、調整することで

社会人は大学院進学の実現性を高めていきます。

社会人が大学院に効率的に合格する方法①仕事と研究内容がリンクしている

社会人が大学院進学において現役の大学生との違いがあるとすれば、

それはずばり社会人経験、仕事の経験です。

これを研究に生かせるに越したことはありません。

普段印刷機販売の営業をしている人が宇宙工学の研究に進むには、

個人的な興味関心だけでなく、

その道での学術的知識も必要なのでハードルは高くなります。

しかし、マーケティング系の研究科であれば仕事の内容を活かせるかもしれません。

研究で求められる専門知識に触れたときも

“ああ、これのことね”となじみやすいこともあります。

社会人が大学院に効率的に合格する方法②外国語試験が少ない

普段仕事で外国語を使い慣れている人でも

2か国語を使う人はそうそういないでしょう。

普通の人は英語だけでも大変なのに、

それに加えてもう一か国語が入るとなると、

数年単位での対策が必要になります。

東大大学院では人文社会科学系や総合文化は英語の他に、

フランス語やスペイン語などの第二外国語の試験も出るため、

ゼロから大学院の進学を検討・対策する人は

これらの研究科は避けたほうがいいでしょう。

社会人が大学院に効率的に合格する方法③試験科目が少ない

社会人は限られた時間を効率的に、集中的に使わなければなりません。

そのためには試験科目が少ない研究科を狙うことも効果的です。

東大大学院の教育学研究科であれば、

・英語の独自試験(和訳、和文英訳、要約)

・専門科目の独自試験(小論文)

・研究計画書

・口述試験

が入試で求められます。

総合文化研究科では、さらに第二外国語、論文提出が求められるコースもあります。

一方で、後ほど紹介する学際情報学府では、

試験という意味では口述試験だけのコースもあります。

(ただしTOEFLスコアなど事前提出があります。)

英語についても試験日の独自試験よりも、

過去2年の結果が有効になるTOEFLスコア提出のものであれば、

東大大学院以外の大学院入試や履歴書でも利用でき、

出願時までに何度も挑戦できるので、

いろいろ使いまわせて効率的です。(受験料は高額ですが、、)

注意点①英語は避けて通れない(試験はなくてもスコア提出がある)

お伝えしたように、確かに英語の試験がないコースもありますが、

英語の試験がないコースはTOEFLなどのスコアの提出が必須です。

なので、大学院入試には英語は避けて通ることができないと考えたほうがいいです。

東大大学院は英語の成績が入試の足切りに使われるので、

英語ができないと話にならない、という状況です…。

たしかに、地方の看護系の大学院や、私大のMBAでは、

英語の試験が存在しない大学院もあります。

しかし、入学後にかなり苦労することになると思います。

大学院では文献収集、英文の要旨、学会発表など、

英語を使わないとどうにもならない場面があるのです。

先行研究の文献収集で日本語の文献だけしか集めていないと、

かなり薄っぺらい研究になる、というか

修士論文としては成り立たない、という事態になりかねないです。

大学入試では国文科だろうが史学科だろうが

強制的に英語の試験を受けさせられ、

入学後は全く使わず完全に試験のみの知識としてに終わることもありますが

大学院はそうではありません。

これはある意味ポジティブに捉えるべきで、

英語を含めて大学院入試の勉強というのは、

すべてのことが大学院進学後の研究活動に役立ちます。

たとえ辛くともその後の研究活動やキャリアには活きると考えて

英語の勉強はしましょう。

注意点②社会人特別選抜枠なら楽、というわけではない

試験問題が弱点と感じる社会人であれば、

少しでも自分が有利な状況で戦えるように、

社会人特別選考枠を利用できるなら是非利用しましょう。

しかし、各コースの募集要項を見ると分かりますが、

社会人特別選考枠であっても、楽、というわけでありません。

実務経験をPRする活動調書やポートフォリオの提出がある上に、

一般選考枠と同じ試験科目を受験する必要があったり、

社会人特別選考枠がごく一部のコースにだけ設けられ、

募集枠も若干名、というところが大半です。

東大大学院の社会人特別選考枠、倍率、試験科目一覧

大学院は各大学院、各研究科で分かれていて

とにかく分かりにくいです。

そこで東大大学院の

・社会人特別選考枠の有無

・社会人の合格の倍率

・試験内容

・冬入試の有無

を一覧で把握して進学先を検討する表を作成しました。

ここに出る数字は「東京大学の概要」や、

各コースの募集要項などを参考にしています。

ですが!大変申し訳ないのですが、

理工系、農学系、薬学系、医学系は省いています…。

東大大学院は研究科の中に複数のコースがあり、

東大大学院すべてのコースを記載するとなると、

おそらく100近くあるので、

ただでさえ今の表は小さく見づらくなるので挫折しました…。

一般的に理系大学院は内部進学や、

学部時代から大学院進学を検討している人が多そうで、

しかも巷に理系の大学院関連の情報も豊富なので、

まあいいか…、と思いました。

この表をふまえて、

東京大学大学院で社会人が入りやすいコースを考えてみます。

研究科社会人
選抜枠
定員志願者
合計(A)
(A)内
社会人(B)
入学者
合計(C)
(C)内
社会人(D)
社会人
倍率
(B)÷(D)
英語
試験
第2
外国語
専門
科目
口述
試験
研究
計画書

入試
人文
社会
文化資源学
レポート
提出
19333378113233.4独自
教育学×882808284213.9独自××
法学政治
(総合
法政)
実定法
推薦状
研究計画
英語スコア
2082132026.5六か国語
から1つ
六か国語
から1つ
試験か
小論文
××
法曹養成
(法科大学院)

(不合格者
は一般
法学
未修扱い)
230619122218245.1×
(スコア
提出)
×
(スコア
提出)
未修
のみ
×
のみ
経済学数量
ファイナンス
110460259746.3×
(TOEFL
/TOEIC)
××
総合文化
(表象文化)
語学:
英語のみ
26955169203193.6独自
(+提出
論文)

のみ
総合文化
(文化人類)
一般
と同じ
同上同上同上同上同上同上独自
(提出
課題)
×
(+提出
論文)

のみ
総合文化
(比較文学)
語学:
英語のみ
同上同上同上同上同上同上独自
(+提出
論文)

のみ
総合文化
(地域文化)
語学:
英語のみ
同上同上同上同上同上同上独自
(+提出
論文)

のみ
総合文化
(言語情報)
語学:
英語のみ
同上同上同上同上同上同上独自
(+提出
論文)

のみ
総合文化
(国際社会)
語学:
英語のみ
同上同上同上同上同上同上独自×(選択制)
(+提出
論文)

のみ
総合文化
(広域科学)
活動状況
調書、
研究計画書
同上同上同上同上同上同上×(TOEFL)××〇(もしくは
小論文)
×
総合文化
(HSP)
×同上同上同上同上同上同上×(TOEFL
/IELTS)
××
(+提出
論文)
×
HSP
社会人
社会人のみ同上同上同上同上同上同上×(TOEFL
/IELTS)
××
(+提出
論文)
×
新領域
創成
科学
×36678930351215×(TOEFL
/IELTS)
×専攻により小論文一部専攻のみ
学際情報
学府
1003756897125.6×(TOEFL
/TOEIC
/IELTS)
××専攻により小論文、
成果物

(生物
統計
情報学
以外)
公共政策
推薦書
135245217212175×(TOEFL)××
(エッセイ)
学習
計画
×
※2022年度のデータです。人数や内容が変更になっている場合があります。また、総合文化研究科の「同上」とは総合文化研究科全体での人数です。

社会人でも入りやすい東大大学院「学際情報学府」

東京大学の大学院で試験科目のボリュームが少ない、という点で

社会人でも入りやすい(チャレンジ)しやすいのが学際情報学府です。

社会の様々な側面を「情報」という観点から捉えて研究する学際情報学府は、

情報社会の現代に欠かせない知見を身につけることができる研究科です。

普段皆さんもこのブログのようなウェブ上の情報や、

SNSでのコミュニケーションは頻繁に行っていますよね?

そういったことが研究対象にできる、とても面白いところです。

大学院入試の特徴としては、コロナ以降専門科目の試験がなくなり、

試験が口述試験のみになっていることです。

英語は試験ではなくスコアの提出ですが、

なんと、東大大学院としては珍しくTOEICスコアも有効になっていることです。

通常大学院入試で求められる英語というのは、

よりアカデミックな理解力が問われるTOEFLやIELTSで、

これらはリスニング、リーディングの他にスピーキングやライティングもあり、

かなりの訓練が必要です。

そして受験料が円安のあおりをうけて高い…(245米ドル約33000円)。

一方TOEICは基本的にリーディングとリスニングのみ。

英語もビジネス寄りの内容で、

お値段も7810円とTOEFLの1/4です。

これであれば出願前に何度か受験してスコアアップも狙えます。

約7分の口述試験は入学後の研究について詳しく聞かれるので、

しっかり対策は必要ですが、

試験科目が少ないことで対策を重点的に行えます。

こちらに学際情報学府の合格者数が記載されています。

倍率は4倍以上と決して簡単ではないですが、

戦闘能力(学力)の低い社会人が戦略的に勝つことも狙える研究科でしょう。

(おまけ)専門性があるなら「公共政策大学院」

学際情報学府よりは若干(だいぶ?)ハードルは上がりますが、

専門職大学院である公共政策大学院です。

研究者養成指向が強い東大大学院の中でも

政策実務家の育成を主体としている珍しい大学院です。

公共政策大学院の試験科目は口述試験のみです。

出願には英語はTOEFLスコアの提出、

専門分野についてのエッセイや学習計画書、

推薦状の提出など、

こちらも決して簡単ではありませんが、

一発試験ではないので出願前に入念に準備ができます。

なお、こちらに合格者のTOEFLスコア平均が記載されており、

平均して88点のスコアが必要です。

TOEICで換算すると800点相当ですね。

公務員であれば休職制度や在職のまま学んだり、

NGOなどにキャリアチェンジしたい人はチャレンジする価値があります。

できる範囲でやる、は立派な戦略

“大学院に進学したい”と考えるすべての社会人が

最初から明確にその道筋が見えているわけでも、

お金も時間も十分にあるわけではないでしょう。

社会人数年目で何となく仕事がマンネリ化している人や、

社会人と言ってもほぼフリーターのような待遇で、

何とかキャリアアップしたいと思いながら

もがいている人、

「今の生活から脱却したい」という若干ネガティブな思いで、

大学院に希望を抱いている人もいるはずです。

私はそのような動機であっても他人が否定できるものではなく、

生活が良くなるなら選択できるべきだと思います。

とはいってもお金やスキル、時間など限られていて、

大学院にチャレンジすることをためらう人もいるでしょう。

試験科目が少しでも少なくできれば、

“これなら自分でも挑戦できるかも”という、

やる気になれる大学院が見つかると思います。

まずは一歩を踏み出して、

できる範囲からやってみることで

段々と見えてくるものがあります。

まとめ

この記事で私が東大大学院の進学を検討していた時に

いろいろな研究科を調べていたものをまとめてみました。

改めてみると、確かに学際情報学府のように

試験科目が少ないコースもありますが、

それが簡単、というわけではないことです。

ただし、社会人の大学院の対策はいかに効率よく的を絞ってできるか、

が重要なのでコース選びから戦略は始まります。

社会人の大学院入試の具体的な勉強方法は

私の東大大学院合格の経験をもとに

3万文字になった限定公開のnoteを是非参考にしてみてください。

【3万字】0から始める社会人の東京大学大学院入試対策(教育学研究科)

【3万字】0から始める社会人の東京大学大学院入試対策(教育学研究科)|チャロ@超高齢社会の案内人|note

この記事では知識ゼロの状態のアラフォーで保育園児育児中(フルタイム勤務)社会人の私が東京大学の大学院(教育学研究科・比較教育社会学コース)の入試を受験し合格した経験をもとに、同じように社会人で大学院の進学を考えている人の入試対策の参考になるために書いています。 ・合格までのスケジュール ・利用した参考書 ・勉強方法・試験対策 ・論述問題・小論文の模擬試験解答&研究計画書フォーマットサンプル ...

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